キッチン

yayaだよ

ブロードウェイの余韻

 

12月のアメリカといえばニューヨークのクリスマス

ということで夫と一泊二日の週末旅行してきた。高速バスで4時間の道のりを経て到着。

今回のメインはブロードウェイミュージカル「Wicked」の観劇だった。その感想を書こうと思う。最初に断っておくと熱量がキモイです。

 

 

 

私は学生時代、学生なりに真剣にミュージカルをやっていた。役者側で。

なので着眼点が変かもしれない 脇役時代が長かったのでモブに感情移入しまくってしまう。笑

 

まず、お金が許すなら同じ役者の同じ舞台を3回観たい。

1回目:1階席後方~2階席で全体のバランスやダンスの陣形を見る

2回目:最前列に近いところで主役をメインにみる

3回目:最前列~中央くらいでモブ(脇役)の細かい動きを楽しむ

 

特に3回目のやつが大好きなんだけどまあお金がないので大体はなるべく前のほうで1回しか見るチャンスがない。今回も最前列上手(かみて。向かって右)からみた。

 

私の持論として、衣装が現代風(ジーパンTシャツや普段着)の舞台はモブの数が多くてダンスの陣形を魅せる系が多く歌の音圧もあるので後ろのほうから見ても楽しめる。

一方完全にファンタジーで衣装が幻想的、非現実的なもの(ドレス、魔女や怪物が出てくる系)はモブ少な目で主役の対話・語り・ラブシーンが多くダンスも小規模で、また衣装や装飾・大道具の細かいこだわりがあることもあってなるべく前のほうから見るのが良い。

前者はウエストサイドストーリー・コーラスライン・レント・スクールオブロックなど。後者はwicked・オペラ座の怪人・ディズニー全般などです

 

そして今回のwicked。ここからネタバレありです

 

 

あらすじ(劇団四季のHPより抜粋)

人も動物も同じ言葉を話し、共に暮らしていた自由の国──オズ。平和なこの国に異変が起きていました。動物たちが、次々と言葉を話せなくなっているのです。しかし大多数の国民は、その事態に気付いていません。
全寮制のシズ大学に入学してきたエルファバ。緑色の肌のため家族に疎まれ、周囲の学生たちとも馴染めずにいた彼女は、偶然と誤解からグリンダと同じ部屋になります。
見事な美貌とブロンドの髪を持つグリンダはクラスの人気者。一方、思索的で激しい気性のエルファバは、生まれながらに不思議な魔法の力を持っていました。性格も外見も異なる二人は、はじめは対立するものの、 次第に互いの内面を理解し合い友情を育んでいきます。
ある日エルファバの元へ、この国の支配者にして強大な魔力を持つと言われるオズの魔法使いから招待状が届きます。グリンダを伴い、魔法使いの住むエメラルドシティを訪れたエルファバは、緑色に輝く大都会の素晴らしさに感激しました。偏見のない、自由な空気に包まれた憧れの都に、自分たちの居場所を見つけたことを2人は喜び合うのでした。
しかし、宮殿を訪ねた二人は驚くべき事実に遭遇します。エルファバがずっと憧れていた「オズの魔法使い」こそが、自分の権力を強化するために動物たちの言葉を奪っていた、異変の元凶そのものだったのです。
陰謀の正体に驚き怒ったエルファバは、動物たちを解放するために闘うことを決意。「魔法の書」を奪って空高く飛び立ってしまいます。真相を見抜かれた「魔法使い」は、国民を駆り立てエルファバを「悪い魔女」に、そしてグリンダをオズの国を救うシンボルに祭り上げるのでした。
心ならずも正反対の道を歩み始めたエルファバとグリンダ。怒り狂った群衆たちの魔女狩りがエルファバの身に迫ります。互いを思いやりながらも、自らの信じる道を貫くため二人はある決意をするのですが……。

 

 

オープニングから、豪華な大道具を駆使した迫力ある演出に泣く(すぐ泣く

エルファバは肌が緑なことで人から疎まれ、観客もその様子を笑うけど、これをみんなで笑ってるうちは世界から人種差別はなくならないんだろうなあ  緑でも茶色でも一緒だよね

着目するべき(べきかはわからない)はモブの小芝居!主役が語っていたりするときに、周囲のモブは、真剣にそちらを見ている人のほかにモブどうしで今夜のメニューとか読んでる本の内容とか(もちろん舞台上の設定)を話してたりする人もいるんですよ!

舞台に出ているモブは、たとえ通り過ぎるだけの村人Aだったとしても、どんな人で今日はどうしてここにいるのか、ここを歩いていたのはなぜだったのか?ということを作りこんでくるんです。元気なのか悲しい気持ちなのか、若いのか年寄りなのか、その設定でどう歩くかが決まる、だからモブたちがひそひそ話してる内容も、きっとそれに即した内容であるはず、そういうのを作ってきていることに感動している

wickedはモブが全部で15人くらいかな?生徒をやったりエメラルドシティの住人をやったり忙しそうだった。一人、おとなしそうな生徒役をしている人がスカートの中が超ハイレグの下着で(ダンスの時にみえた)、そぐわないな~と思ってたら次のシーンでダンサー役をしていて、その時用の魅せ下着だったと分かっておもしろかった(小ネタすぎる) 女性陣の靴がみんな違ってかわいかった~最前列の醍醐味!

 

歌はもちろん全部最高だったけど特に好きだったのは二人が同じ部屋になっちゃったことを嘆くWhat is this feeling?、チャラ男(のちにいいひと)が出てきてダンスパーティーしようぜイェーイ!っていうDancing Through Life,そのあと仲良くなったときのPopular、エルファバが悪と戦う決意をする1幕魅せ場曲Defying Gravity,二人が良い魔女と悪い魔女に決定的に分かれるときのFor Goodがよかったなー!!!!!!!!

 

Defying Gravity、重力に逆らう この場合の重力とは一般論、世間で信じられているけど実はよくないこと(多数派)。自分が信じるもののためにそれらを振り払って飛び立つ、彼女は自由  悪者になってしまうけれど。そういう曲でした。舞台装置もそれを象徴するように大掛かりで、エルファバを西の空にたなびかせる。泣くよね!!!!

 

エルファバは昔から少数派(緑色の肌)で苦しんできた、でも今回は自分からそこに飛び込む、自分の信念のために。この経験でエルファバは自分のことを好きに?なれたんじゃないかなと思うのよね

対照として描かれるグリンダも、きれいなブロンドの白人でいっそすがすがしいステレオタイプ。最後まで大衆からの目を気にして人気者でいること、長いものに巻かれてうまく世渡りするかわいい人気者。いままでの冒険ものだったら、エルファバが「一緒に巨悪に立ち向かおう」と手を差し出したらその手をとって二人はプリキュアなはずでしょ?!(?)

 

でも人気者を続けること、ほんとの心を隠してキラキラきれいな女王でいること、それもそれでつらいのかな、友達(エルファバ)がマイノリティだから友達とはっきり言えない。そんなシーンが冒頭にあって、でもそのシーンがまたラストにでてくるんだけどその時にはちゃんと「友達。友達だった」というところ、かすかな変化があってよかった。。。

 

あとは当たり前かもだけど、ちゃんとオズの魔法使いにつなげてて偉かった ブリキやかかし、ライオンの元の姿が出てくるしエメラルドシティの住人はみんな緑色のサングラスをかけていて世界観を守っていた 

 

 

色々思うところはあるけど言葉にできないのでこのへんで終わりにする

ぜひ見てください できれば英語で・・・日本語版は訳が不評みたいなので・・・